<協力>
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中央魚類(株) 東京淡水魚卸協同組合 全国養鱒振興協会販売委員会
大阪魚市場(株) 大阪淡水魚貝(株) |
<鮮魚類>(中央魚類(株)鮮魚部扱い) 6月の鮮魚類(天然およ
び養殖)は、数量で前年比100%、単価で同97%の576円、金額で同96%。このうち天然物の入荷量は前年比97%、平均単価は同100%の547
円、金額で同98%。6月は巻網のカツオが増え、イワシも依然順調だった一方で、アジやスルメが減少した。対して養殖物は、入荷量が前年比125%、単価
が同72%の820円、金額で同90%。ハマチ・カンパチ・マダイの主力3魚種が前年を大きく下回る単価となり、なかでも安値の野〆ハマチが急増したのが
背景。
7月入り後は、天然物ではイワシ・イカが順調、アジ・カツオ・サンマは若干減で、全体としては前年並の数量となった模様。養殖物は2割増のペースだったが、単価は依然低迷。
一方、6月の量販店筋は、既存店売上で94〜96%のところが多かった模様。
■養殖ハマチ
6月の入荷量は、野〆物が前年比188%の135t、活〆物が同33%の7t。平均単価は、野〆物が前年比67%の577円、活〆物が同90%の767
円(前月の単価は、野〆物が558円、活〆物が803円)。前年6月は養殖ハマチの浜値が急騰し、天然ブリ類に需要がシフトしたが、今年は逆に、潤沢・安
値の養殖ハマチに押されて天然物の出番が減る展開。7月入り後は入荷ペースが若干ダウン、単価は反発しており、7月27日時点では、野〆物が650〜
600円で強気配、活〆物が850〜800円中心で横這い。
他方、6月のフィレーの入荷量は前年比129%の9t、平均単価は同89%の1268円だった。
■養殖カンパチ
6月の入荷量は、野〆物が前年比194%の31t、活〆物が同111%の41t。平均単価は、野〆物が前年比64%の871円、活〆物が同58%の
881円(前月の単価は、野〆物が865円、活〆物が908円)。値頃感は十分なはずだが、ハマチの影響もあってか、一昨年の数量にはまだ遠い。
7月27日時点では、野〆物が900〜850円、活〆物が1000〜900円中心でほぼ横這い。
■養殖マダイ
活〆・野〆物の6月の入荷量は前年比105%の82t、平均単価は前年比84%の851円(前月は914円)。対韓輸出に昨年の勢いがないこともあって
品薄感はなく、荷動きは今一つなことから価格は下押した。7月27日時点では、野〆物が800円、活〆物が1000円中心で、ほぼ横這い。
■養殖シマアジ
活〆・野〆物の6月の入荷量は前年比100%の7t、平均単価は同106%の1368円(前月は1363円)。7月27日時点では1400〜1350円中心。
■養殖スズキ
活〆・野〆物の6月の入荷量は前年比120%の6t、平均単価は同73%の839円。7月27日時点では850〜800円中心。
<活魚・特種物>(中央魚類(株)特種部扱い)
6月の活物関係(養殖物)は、シマアジとトラフグが数量・単価ともにアップ、クルマエビが数量減の単価アップ、カンパチが数量増の単価ダウン、マダイ・ヒラメは数量・単価ともダウン。
■活マダイ
6月の養殖活マダイの入荷量は前年比68%の45.1t、平均単価は前年比84%の921円(前月は1016円)。単価ダウンしたものの、依然引合いは弱い。「急増しているカンパチの影響もあるかも」とのこと。
一方、6月の天然活マダイは、入荷量が前年比60%の5.9t、平均単価が同104%の1667円だった。
■活カンパチ(養殖)
6月の入荷量は前年比177%の37.5t、平均単価は前年比59%の957円(前月は992円)。実際の魚価水準はここ数ヵ月ほとんど変わっていない
が、値頃感が定着してきたそうで、引合いは強まっている。7月も1000円絡みの魚価水準で前年を上回る数量となり、8月も同様の流れの見通し。
■活シマアジ(養殖)
6月の入荷量は前年比101%の13.3t、平均単価は前年比107%の1570円(前月は1578円)。在池量の関係から、産地からの値上げ要請が強まっている。「上げ幅によってはカンパチに需要が流れるかも」とのこと。
■活ヒラメ
6月の養殖活ヒラメの入荷量は前年比68%の3.1t、平均単価は前年比96%の1570円(前月は1822円)。やはりほとんどが韓国産。現地浜値は
下方修正されつつあるが、潤沢な国産天然物(青森、銚子、常磐など)なども影響して集荷しきれない。その天然ヒラメの6月は、入荷量が前年比119%の
11.1t、平均単価は同83%の1400円と、養殖物より安い。
■活ハマチ(養殖)
6月の入荷量は前年比28%の0.5t、平均単価は前年比95%の898円(前月は908円)。
■活スズキ
6月の入荷量は前年比94%の28.0t、平均単価は同129%の1326円。上記は天然物主体。
■活トラフグ(養殖)
6月の入荷量は前年比143%の1.5t、平均単価は同101%の2637円。主に大分産。
■ホタテ
6月は、ボイル物が入荷量―前年比95%、平均単価―同103%の645円。むき身貝柱(生) が入荷量―同120%、平均単価―同102%の2147円。殻付きが入荷量―同147%、平均単価―同97%の404円。
■エゾアワビ
6月の入荷量は前年比110%の8.4t、平均単価は同93%の6545円(前月は6995円)。
■活クルマエビ
築地全社の6月のクルマエビ総入荷量は前年比93%の41.2t。内訳は、国内養殖物が36.3t(前年比87%)、国内天然物が4.5t(同
188%)、輸入物が0.4t(前年は入荷なし)。国内養殖物についは、西九州と瀬戸内は前年を上回ったものの、沖縄が6t減、鹿児島が1.4t減、東九
州が0.5t減。
中央魚類扱い分の6月の平均単価は、国内物(養殖+天然)が前年比133%の7128円/kg、中国産天然物主体だった輸入物が5883円で、前者は96年6月以来、11年ぶりの7000円台。
■ニジマス
【鮮魚】(全国養鱒振興協会販売委員会扱い)
6月の富士養鱒漁協の扱い量は24.0t(前年対比111%)、平均単価は660円/kg(同105%)。
引き続き市況が低迷する中、月初こそアユ釣解禁に伴う淡水魚フェアー関連での荷動きがあったが、その後は概ね低調のうちに一進一退の流れになった。結
果、6月の出荷量は、前月を12%下回ったが、原魚不足になった前年と比較すると11%上回ったほか、価格は前月と同水準で推移した。7月も数量の伸びに
力を入れ、価格安定を図っていく。
富士養鱒漁協の7月の目標値は、数量30t、平均単価660円/kg。
【活魚】
今年は梅雨らしい梅雨となり、7月は雨または曇りの日が多かったため、活魚の荷動きはあまりよくなかったようだ。ただし、梅雨の間は水温が低かったの
で、平年より長く営業することができた釣り場もあった。また、梅雨入り前は水不足が心配されていたので、この梅雨で水量が多くなり、川や湖のコンディショ
ンは良くなっている。8月入り後は全国的に猛暑が続いており、釣りをするには暑すぎる感じ。秋口からの需要回復に期待したい。
■ウナギ(東淡扱い他)
6月の東淡扱い分の入荷量は276.2t(前年対比102%)、平均単価は2096円/kg(同246円ダウン)。
主産地・愛知一色地区が6月5日に新仔池揚げを、5P―1900円、4P―1750円、3P―1550円としたが、この相場は台湾物よりも300円前後
高く、活鰻需要は台湾物へと流れた。そのため、同地区では、6月末に5Pの池揚げ値を50円下方修正、さらに7月上旬には5P、4Pをそれぞれ50円値下
げした。
今夏は猛暑でウナギ消費には絶好の環境だが、輸入物との値差が大きすぎ、丑に向かう中で相場は下げ基調だ。
■アユ
中央魚類(株)特種部扱い分の 6月の入荷量は前年比122%の42.8t、平均単価は同105%の1162円。入荷ペースは6月上旬以降に回復し、最
終的には前年を上回ったが、単価は比較的安定していた。休廃業等によって主産地の“仕込み量”が縮減していることが背景にあると考えられる。7月下旬時点
では強気配。
■ウナギ・スッポン
中央魚類(株)特種部扱い分の 6月の活ウナギの入荷量は前年比77%の2.2t、平均単価は同90%の2028円。活スッポンの入荷量は前年比100%の0.8t、平均単価は同102%の2568円。
大阪魚市場(株)鮮魚第2課・第4課扱い分(6月)
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入荷量 (t) |
前年対比
(%) | 平均単価
(円/kg) | 前年対比
(%) | コメント |
養殖ハマチ |
70.7 |
104 |
901 |
101 |
6月は宮崎・高知産中心で、目廻りは約3.3kg、値幅は1100〜600円。7月下旬時点でも、ほぼ同水準で横這い。カンパチ需要が回復傾向にあることも影響してか、売れ口は今一つ。 |
養殖ブリ |
82.1 |
128 |
767 |
77 |
6月は愛媛産中心で、目廻りは約5.7kg、値幅は800〜600円。6月の単価は前月より約60円上昇したが、7月末時点でも強気配。九州地区の在庫が消化され、もっぱら四国産となっている等が背景。 |
養殖マダイ | 136.0 | 88 |
1,000 |
91 |
6月は愛媛・高知・和歌山産などで、目廻りは1.4kg、値幅は1150〜750円。7月下旬時点では若干の下げ基調。在池量がそこそこあり、対韓輸出に昨年の勢いがないこと等が背景。 |
養殖カンパチ |
67.6 | 150 |
1,022 | 66 |
6月は鹿児島・宮崎・高知・愛媛産などで、目廻りは約3.5kg、値幅は1200〜800円。7月下旬時点ではほぼ横這いだが、在池量や赤潮被害の影響などで上げに転じる可能性も。 |
養殖ヒラマサ |
5.0 | 625 |
1,094 | 77 |
6月は熊本・高知・大分・愛媛産などで、目廻りは約4.0kg、値幅は1300〜1000円。数量の大幅増は、前年の入荷が極端に少なかったこと、今期は種々のチャネルにこまめに売り込んだことなどによる。7月下旬時点では横這い。 |
養殖ヒラメ |
60.2 | 68 |
1,885 | 116 |
6月は韓国産が1/3強を占め、国内物は鹿児島産と大分産主体。1〜
0.8kgサイズ中心で、値幅は2700〜1200円だった。7月下旬時点では強気配。例年だとこれから上げるパターンだが、「すそ物を除けば、すでに
2000円水準なので、これ以上の高値は許容されにくい」と荷受筋。さらに、そろそろ新物が出始める韓国での池揚げ意欲が増していることなどから、横這い
で推移する可能性もあるという。 |
養殖シマアジ |
9.4 | 55 |
1,505 |
111 |
6月は愛媛・大分・高知・熊本・和歌山産などで、中心サイズは約1kg、値幅は1800〜1000円。池在庫の消化が進んでいたところに、赤潮被害も伝えられており、7月下旬時点では上げ基調。 |
養殖トラフグ |
2.7 | 45 |
2,338 |
104 |
6月は愛媛・長崎産などで、目廻りは1〜0.8kg、値幅は3500〜2000円。7月下旬時点では強気配。端境期を迎え、とくに九州産の集荷が行いにくくなっている。 |
養殖スズキ |
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(大阪魚市場(株)「ストラテジー情報」より)
●養殖マダイ
愛媛中心の高知、和歌山、三重方面からの入荷となる。中心サイズは1.5〜1.3kgで、1.0〜0.8kgの小型サイズも出てくる。産卵期を終え、各
地とも品質が向上してくる時期。相場は昨年よりも低く推移しそう。8月の予想相場(kg当たり)は、2.0〜1.5kg―1150〜800円、1.5〜
1.3kg―1100〜800円、1.2〜1.0kg―1050〜800円、1.0kg前後―1050〜800円。
●養殖ブリ
活ブリは広島(鞆)、和歌山方面から、〆ブリは大分、愛媛方面からの入荷が中心となる。サイズは6.0〜4.5kg中心と大型化してくる。消費が順調で
在池量が多めのことから、相場は活物1200〜1100円、〆物800〜700円、フィレーは愛媛物中心で1350〜1250円と、昨年より低く推移しそ
う。
●養殖ハマチ
大分、高知、愛媛方面からの入荷が中心となるが、盆前より、瀬戸内(香川、徳島)方面からの入荷に切り替わる。今年の瀬戸内の在池量は昨年並だが、中心サイズは3.8〜3.0kgと昨年より少し大きくなりそうす。相場は1050〜900円と先月並の見込み。
●養殖カンパチ
九州(鹿児島、宮崎、大分)方面からの入荷が中心となる。例年通り、鹿児島より新物(2年魚)の入荷が見込まれ、サイズは4.0〜3.0kgと昨年並の見込み。在池量は昨年より多く、相場は1200〜900円、フィレー1700〜1600円と、昨年より安く推移しそう。
●養殖スズキ
四国(愛媛、香川)方面からの入荷が中心となる。在池量が多く、昨年に比べて浜値も下がるため、入荷量も多めとなりそう。相場は、1.5〜1.0kgサイズで1300〜800円の推移となりそう。
●養殖サーモン
ノルウェー主体に、一部カナダからの入荷となる。主力のノルウェーは生産が順調で、昨年春から高騰した価格も6月からやや弱含みに転じており、秋口までは現状の相場推移となりそう。カナダ産の相場は変動なし。
●マグロ
【生鮮物】本マグロの国内物は、三陸(宮城)方面の巻網の漁次第となるが、今のところ期待薄。輸入物は北米方面からの入荷が中心となる見込み。キハダは輸入物(インドネシア、台湾)中心の入荷になると思われる。
【冷凍物】本マグロ、インドマグロとも漁模様が悪くて脂物に良品が少なく、数量も見込めない。赤身商材のキハダ、メバチに関しても入荷量は少なく、良品も少ない見込み。
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