<協力>
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中央魚類(株) 東京淡水魚卸協同組合 全国養鱒振興協会販売委員会
大阪魚市場(株) 大阪淡水魚貝(株) |
<鮮魚類>(中央魚類(株)鮮魚部扱い) 3月の鮮魚類(天然およ
び養殖)は、数量で前年比104%、単価で同99%の710円、金額で同103%。このうち天然物の入荷量は前年比110%、平均単価は同98%の674
円、金額で同107%。西日本の漁場を中心に好漁日が多く、ブリ・ワラサ、サバ、アジ、イワシなどが順調に入荷した。一方、養殖物は、入荷量が前年比
82%、単価が同109%の902円、金額で同89%と、当月も主力3魚種、とりわけマダイの大幅数量減が響いた。
4月入り後も漁模様(天然物)は概ね順調で、上記魚種に加え、サワラ、マダイ、イサキなどの入荷も目立っており、“不漁年”だった昨年と比べて明らかに入荷は多く、単価的にもまずまず。
上記のような、天然物に勢いのある供給状況から、量販店筋では、それら天然物をいかに仕入れ、いかに売るかが、これまで以上に問われる展開となっている。
■養殖ハマチ
3月の入荷量(野〆物と活〆物の合計)は前年比92%の223t、平均単価は同112%の669円(野〆物が665円、活〆物が763円)で、前月比では18円のダウン。3月は天然のブリ・ワラサ類の入荷が前年比170%と著増したことが大きく影響した。
4月入り後はほぼ横這いで、4月24日現在、野〆物が650〜600円中心、活〆物が850円中心。
3月のフィレーの入荷量は12t(前年比100%)、平均単価は1556円(同133%)だった。
■養殖カンパチ
3月の入荷量は前年比88%の93t、平均単価は同68%の881円(野〆物が855円、活〆物が896円)で、前月より20円ダウン。魚価は“十分に
使える水準”まで下がっているはずだが、需要はなかなか戻らない。4月24日現在、野〆物が850円中心、活〆物が1050円中心。
■養殖マダイ
活〆・野〆物の3月の入荷量は前年比69%の132t、平均単価は前年比137%の944円(前月は964円)。浜値高・入荷減の展開が続いており、4
月入り後も魚価はほぼ横這い。4月24日時点では、野〆物が950〜900円中心、活〆物が1200〜1100円中心。
■養殖シマアジ
活〆・野〆物の3月の入荷量は前年比133%の8t、平均単価は同100%の1277円(前月は1183円)。4月24日時点では1300円中心。
■養殖スズキ
活〆・野〆物の3月の入荷量は前年比500%の2t、平均単価は同60%の984円。
<活魚・特種物>(中央魚類(株)特種部扱い)
3月の活物関係(養殖物)は、シマアジとトラフグが数量・単価ともにアップ、マダイとヒラメは数量減の単価高、カンパチとクルマエビは数量増の単価安となった。
■活マダイ
3月の養殖活マダイの入荷量は前年比63%の68.3t、平均単価は前年比139%の1079円(前月は1054円)。「好値が続いているが、浜からの押し込みもあるので、輸出分も含め、品物はそれほど動いていないのでは?」とのことで、当面は横這いの予想。
一方、3月の天然活マダイは、入荷量が前年比77%、平均単価が同117%の4121円だった。
■活カンパチ(養殖)
3月の入荷量は前年比110%の37.5t、平均単価は前年比73%の995円(前月は1006円)。これとは別に、水槽売りが約2.4t(992円)
あった。数量は久方ぶりの前年超え。「現在の魚価水準が浸透すれば、本格的に荷が動き始め、魚価は回復に向かうはず」とのこと。
■活シマアジ(養殖)
3月の入荷量は前年比122%の11.6t、平均単価は前年比113%の1542円(前月は1545円)。依然として値頃感があり、4月も順調な荷動きだった。
■活ヒラメ
3月の養殖活ヒラメの入荷量は前年比47%の3.5t、平均単価は前年比127%の1886円(前月は1910円)。ほとんどが韓国産だが、現地浜値の
高騰で集荷量を絞らざるを得ない展開が続いている。入荷増の天然ヒラメに小型サイズが多いことも影響している。その天然ヒラメの3月は、入荷量―前年比
109%、平均単価―同103%の3737円。
■活ハマチ(養殖)
3月の入荷量は前年比27%の0.6t、平均単価は前年比112%の908円(前月は898円)。潤沢だった天然のブリ・ワラサ類の影響も受けた。
■活スズキ
3月の入荷量は前年比82%の12.3t、平均単価は同109%の1056円。上記は天然物主体。
■活トラフグ
3月の入荷量は前年比137%の6.8t、平均単価は同105%の2671円。すべて養殖物で、大分産など。数量・単価ともアップした裏には、卸・仲卸連携による新たな販促も。
■ホタテ
3月は、ボイル物が入荷量―前年比92%、平均単価―同97%の742円。むき身貝柱(生) が入荷量―同126%、平均単価―同91%の2304円。殻付きが入荷量―同68%、平均単価―同99%の414円。
■エゾアワビ
3月の入荷量は前年比101%の5.7t、平均単価は同101%の7004円(前月は6032円)。
■カキ
3月は、剥きカキが入荷量―前年比118%、平均単価―同75%の633円。殻付きが入荷量―同65%、平均単価―同66%の741円。
■ウナギ・スッポン
3月の活ウナギの入荷量は前年比80%、平均単価は同83%の1842円。活スッポンの入荷量は前年比195%、平均単価は同100%の2533円。
■活クルマエビ
築地全社の3月のクルマエビ総入荷量は前年比120%の47.6t。内訳は、国内養殖物が46.2t(前年比121%)、国内天然物が1.4t(同
151%)、輸入物はなし。国内養殖物では、沖縄産が全体の6割強、鹿児島産が3割弱を占めた。中央魚類扱い分の3月の平均単価は、国内物(養殖+天然)
で前年比91%の4751円/kgだった。
■ニジマス
【鮮魚】(全国養鱒振興協会販売委員会扱い)
3月の富士養鱒漁協の扱い量は14.4t(前年対比51%)、平均単価は652円/kg(同133%)。
他海産魚の価格が前年同期と比較して落ち込む中、ニジマス鮮魚も2月からの販売価格引き上げの影響からか例年になく低調な荷動きになった。3月の出荷量
は前月を51%上回ったものの、前年比では49%減と大きく下回った。また、価格は前年を33%上回ったものの、前月とほぼ同水準で推移した。4月は数量
の伸びに力を入れ、価格面では安定的な上昇を図っていく予定だ。
富士養鱒漁協の4月の目標値は、数量30t、平均単価680円/kg。
【活魚】
4月は全般に天候が良くなかったこともあり、ニジマス活魚の荷動きはGWを前にしてやや中だるみといった状態だった。魚が少ないと言われるものの、一部産地では荷動きの悪さから多少の荷余り感もあったようだ。
養鱒業界では、昨年の配合飼料価格値上げを受け、単価の上方修正を目指しているが、依然“投げ売り”も散見されるようで、足並みは今一つ揃っていない。
■ウナギ(東淡扱い他)
3月の東淡扱い分の入荷量は235.4t(前年対比99%)、平均単価は1900円/kg(同386円ダウン)。
本格的な需要期を前に、国内加工場では原料の調達に必死の状況。加工原料としての国産ウナギの需要は一貫して高く、国内在鰻が少ない中、特に5Pサイズ
の品薄感は深刻だ。主産地・愛知一色地区では、2月末に全サイズ50円の池揚げ価格値上げを行い、3月は何とか横ばいで推移したものの、やはり細物が少な
く、4月上旬に5Pのみ50円の上方修正を実施した。これにより、一色地区の池揚げ価格は、5P―1750円、4P―1650円、3P―1500円となっ
た。
一方、台湾物も太化傾向を強めており、細物価格を中心に相場はジリ高で推移。GW前には国内加工場の需要が一時的に落ち込み、台湾物相場も横ばいとなったが、連休明けには再び加工場が稼働し、国産、台湾物の両方が強含みの動きになっていくものと予想される。
国内シラスウナギの池入れは4月下旬でほぼ終了した。日本26t、中国27t、韓国11t程度と伝えられている。ジャポニカの総池入れ量を65t前後とすると、昨年同期からほぼ半減。特に中国の採捕量が少ないことが響いた。
■アユ
中央魚類(株)特種部扱いの3月の入荷量は前年比82%の0.7t、平均単価は同106%の1499円。
大阪魚市場(株)鮮魚第2課・第4課扱い分(3月)
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入荷量 (t) |
前年対比
(%) | 平均単価
(円/kg) | 前年対比
(%) | コメント |
養殖ハマチ |
78.5 |
96 |
901 |
114 |
3月は愛媛・高知産中心で、目廻りは約3.8kg、値幅は1100〜700円。売れ筋の3kgサイズの産地在庫は少なめだが、荷動きも振るわないため、4月下旬時点でもほぼ横這い。 |
養殖ブリ |
228.0 |
90 |
657 |
87 |
3月は鹿児島・愛媛産中心で、目廻りは約5.8kg、値幅は800〜600円と、前月より小甘い。天然のブリ・ワラサ類などが潤沢だったことも影響している。4月入り後もほぼ横這い。 |
養殖マダイ | 197.7 | 76 |
1,037 |
133 |
3月は愛媛・高知産などで、目廻りは1.5kg、値幅は1300〜800円。4月下旬時点ではほぼ横這いだが、黄金週間後は軟調に転じるとの見方も。サイズアソートが偏ってきていること、これまでのところ韓国向け出荷がそれほど多くないことなどが背景。 |
養殖カンパチ |
66.6 | 106 |
1,057 | 83 |
3月は愛媛・高知・長崎産などで、目廻りは約3.8kg、値幅は1300〜800円。依然として荷動きは鈍く、産地在庫とのバランスから今後は下げに転じるとの見方も。 |
養殖ヒラマサ |
3.2 | 60 |
1,061 | 91 |
3月は愛媛・熊本産などで、目廻りは約4kg、値幅は1400〜1000円。ヒラマサ自体の在池量はけっして多くないが、カンパチの需給バランスとの絡みでこちらも弱含み。 |
養殖ヒラメ |
85.5 | 68 |
1,784 | 128 |
3月は韓国産が約45%を占め、国内は鹿児島産と大分産主体。1〜
0.8kgサイズ中心で、値幅は2500〜1200円だった。韓国側の在池量は前年より2割方少ないと伝えられており、それゆえの浜値高に円安が加わっ
て、集荷量を絞らざるを得ない状況。このため、4月1〜3週における韓国物のシェアは30%程度まで縮減しているが、依然として強含み。 |
養殖シマアジ |
11.1 | 68 |
1,481 |
114 |
3月は愛媛・大分・高知・熊本・和歌山産などで、中心サイズは約1.2kg、値幅は1800〜1200円。産地在庫の消化が進んでいるため、黄金週間後は上げに転じる見通し。 |
養殖トラフグ |
39.0 | 138 |
2,266 |
110 |
3月は愛媛・鹿児島産などで、1〜0.8kgサイズ中心。値幅は4000〜1500円だった。季節柄、出荷可能な生産者が限定されてきたため、5月入り後は若干上げる見通し。 |
養殖スズキ |
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地域によっては、成魚での魚病被害の影響などで生産量が急減し、集荷が行い難くなっているとのこと。 |
(大阪魚市場(株)「ストラテジー情報」より)
●養殖マダイ
愛媛主体に高知、和歌山、三重などから1.5〜1.6kgサイズ中心の入荷となる。昨年は韓国への輸出増を背景に5月頃から相場が急騰したが、今期はす
でに高値圏にあり、横ばいの相場が見込まれる。5月の予想相場(kg当たり)は、2.0〜1.5kg―1300〜900円、1.5〜1.3kg―
1200〜900円、1.2〜1.0kg―1150〜900円、1.0〜0.8kg―1150〜900円。
●養殖ブリ
四国(高知、愛媛)の5〜4kgサイズの入荷が主力となる。年明けから相場が弱含んできたが、消化が順調に推移していること、産卵期に向かい出荷が減少
してくることなどから、相場はやや強含みそう。予想相場は、6〜4kg/尾―900〜800円、フィレー7.5〜6.5kg/4枚―1450〜1400
円。
●養殖ハマチ
愛媛、大分に加え、5月中旬からは高知の新物(3kg/尾前後)の出荷が始まる。夏場に向けてカンパチにシフトする量販店などもあり、また、カンパチの価格も落ち着いてきていることから、昨年のような相場上昇は考えられず、1100〜900円の保合相場となりそう。
●養殖ヒラメ
韓国物が中心となるが、鹿児島、大分など国内物も増える。韓国の在池量が昨年より3割程度少なめとの情報があり、相場は強含みに転じている。予想相場
は、1.0kg―3000〜2100円、800g―2800〜2000円、600g―2500〜1900円、500g―2200〜1800円。
●養殖シマアジ
愛媛、香川、大分、高知からの入荷が中心となる。在池量はほぼ昨年並で、相場も2000〜1300円と昨年と同程度を見込んでいる。
●養殖スズキ
四国(愛媛、香川、高知)方面からの入荷が中心となる。相場の下落から生産の減少が続いたが、今期の在池量は昨年を上回っており、浜値も昨年と比べkg当たり100円程度下がっている。相場は2.0〜1.5Kgサイズで1200〜800円と、昨年よりやや安くなりそう。
●養殖アユ
宮崎、徳島、和歌山、静岡方面からの入荷が中心になる。各地とも生育は順調で、昨年並の入荷量を見込んでおり、相場も昨年並で推移しそう。天然アユの解
禁日の前後を中心に需要のピークを迎え、扱い易い3尾200〜180g規格を中心に需要が高まる。相場もこの時期は強含みが予想されるが、トータルでは昨
年並で落ち着きそう。予想相場は、3尾200g―340〜300円/枚、3尾180g―290〜270円/枚、1kg12〜15尾(木箱)―2000〜
1600円/kg。
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